Tourism HR Structural Reform
Stock Code: 151A
リゾートバイト特化の人材サービス企業「ダイブ」。
一般的な派遣業の常識を覆す高収益体質と、観光産業のインフラ化を目指す成長戦略を分析する。
株式会社ダイブのビジネスモデルは、表面的には「登録型人材派遣」に見えるが、その収益構造は一般的な派遣業とは一線を画している。最大の特徴は、観光地という特殊なフィールドにおいて、住居・食事といった生活インフラをセットで提供する「現物給付」の仕組みにある。
派遣料金からスタッフ給与(原価)を引いたものが粗利となるが、ダイブの場合、寮費・食費が無料という「現物給付」があるため、スタッフへの現金給与を抑制しつつも高い求心力を維持できる。結果として、業界平均を大きく上回る約30%の粗利率を実現している。
「リゾートバイト」などのビッグワードで検索上位を独占。IndeedやCMといった外部広告費に依存せず、オーガニック検索からの流入が主軸であるため、顧客獲得コスト(CPA)が極めて低い水準に抑制されている。
競合他社(グッドマンサービス、ヒューマニック等)と比較した際、ダイブの優位性は「時給」ではなく「サポート品質」と「物理的な囲い込み」にある。
| Comparison | Dive Inc. (151A) | Competitor G | Competitor H |
|---|---|---|---|
| 戦略の焦点 | オペレーション品質・体験 | 高時給・還元率 | 規模・求人数 |
| ターゲット | 初心者・ライト層 | 経験者・出稼ぎ層 | 全方位 |
| Economic Moat | 住居確保・LINEサポート | 価格競争力 | 老舗のブランド |
ニセコや石垣島など、宿泊施設の需要に対して住居供給が圧倒的に不足しているエリアにおいて、ダイブはアパートを一棟借り(マスターリース)している。「住む場所がないから働けない」というボトルネックを解消すると同時に、他社が入り込めない物理的な障壁を築いている点は特筆すべきである。
時給上昇は手数料収入の増加に直結する。
特定技能人材の紹介および派遣により、労働力不足の深刻な地方ホテルへ新たな供給源を開拓。
リゾートだけでなく、都市部ホテルの通勤派遣領域へも進出を開始。
インバウンド需要に依存する部分が大きく、パンデミックや国際情勢の変化によるダウンサイドリスクが存在する。
優秀な人材ほど、派遣会社を経由せずにホテルと直接契約するインセンティブが働く。
"攻めのフェーズ"
単なる人材派遣会社として評価するのは誤りである。ダイブは「観光産業のインフラ(人事・住居・集客)」へと脱皮を図っている最中だ。粗利率30%という強固な収益基盤を持ちながら、あえて利益を再投資し、システム化とシェア拡大を優先している経営判断は合理的である。
特に「地方創生事業」と「外国人材」の進捗が、今後のアップサイドを決定づけるだろう。